- EPILOGUE -

『I refrained from love for you...』



『But,I can't refrain!』




澪「……この前、そんなにキメて過ごす相手なんているのかって言ったよね?」

航「うん。」

澪「……私、航ちゃんと過ごすつもりだったんだよ。」

航「えっ、そうだったの?」

澪「うん……もぉ、このドレスは航ちゃんだけに見せたかったのにな。」

航「……ごめん。」

澪「いいよ……だから、もうどこにも行かないでね。」

航「うん。」

航はそう言って、まるでヴィーナスのような澪の手を握り返した。



『I love you...I really love you...So,Stay with me!』



『I love you,too...I'll be with you,forever...』




スクリーンの中では、愛の言葉をささやき合いながら主人公とヒロインが抱き合っている。




澪「……さて問題です。 "refrain"とはどういう意味?」


航「“こらえる”とか“抑える”……だっけ?」


澪は航の瞳を見つめながら小さくうなずいた。



「Refrain love」



「これが私の気持ち…… だから、一緒に観たかったの……」



澪は、航にそっと寄り添ってそう言った。



「ずっと言えなかった…… 言えば、今までの関係が崩れてしまいそうで……」



澪の頬を一筋の涙が伝った……



「澪……」



航は澪の手をきつく握りしめ、心の底から愛情を込めて静かに彼女の名前を呼んだ。


ゆっくりと視線を交わす。


もう言葉はいらない。


スクリーンの中の愛し合う二人と同じように、航と澪……その二人の顔のシルエットも重なった……












『Fin...』












そうして、ゆっくりと幕は閉じていった……














「これが私の気持ち…… だから、一緒に観たかったの……」
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